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第8回「ボウラー間の上下関係」
ボウリング場主催のコンペ大会では、個々のボウラーにハンディキャップを付与する場合が多い。このハンディキャップ算出に使用されるのが、いわゆるスコアのアベレージ(平均値)だ。
ボウリング場主催のコンペ大会やリーグ戦などで投球したゲームを対象として、平均スコア200をベースに、ハンディキャップを付与することが多い。
またハンディキャップ付与については、一定の規定ゲーム数を設けている場合が多く、その規定ゲーム数やハンディキャップの算出基準は各ボウリング場によって異なる。
さらに男子と女子ではハンディキャップの付与率が異なることも多く、また上限が設けられることが殆どであり、会員になっていることも条件のひとつとしているボウリング場も多い。
男子は80%、女子は90%、また上限はそれぞれ50ピンなどが多い印象だ。具体的には次のような計算となり、それぞれ男子と女子とでは次の差が生じる。
- アベレージが170ピンの場合
男子=(200-170)×80%=24ピン
女子=(200-170)×90%=27ピン - アベレージが140ピンの場合
男子=(200-140)×80%=48ピン
女子=(200-140)×90%=54≠50ピン(上限)
例え男女が同じアベレージであっても、女子の方が若干有利としているボウリング場が多い。
またハンディキャップは1ゲーム毎に付与されることから、4ゲームで開催されることが多いコンペ大会では、トータルピンには4ゲーム分のハンディキャップが加算されることになる。
と、ここまではボウリング場がハンディキャップ算出のために必要な情報として扱う必要があり、またこれらはボウリング場で管理しなくてはならない内容といえる。
コンペ大会参加者は、事前に自身のハンディキャップを理解したうえで、参加の有無を判断することとなる。
しかし、ハンディキャップ算出に使用した個人の総ゲーム数、アベレージや個人名を一覧表にしてボウリング場内に掲示、また会報に記載して配布しているところもある。
私が以前利用していたボウリング場では、これら情報に加え、年齢まで公表していたから驚きだ。
これら一覧表を掲示・配布することで、ボウリング場や利用者に一体どのようなメリットがあるのだろうか?
いや、デメリットの方が大きいだろう。
この一覧表によってアベレージ上位者が優位となり、また下位者は肩身の狭い思いをする。加えて次第に上下関係が生まれ始め、上位者からの身勝手な技術指導が始まる。いわゆるティーチング行為というやつだ。
言葉は悪いがボウリング場を利用する多くは、まだ技術が足りない初心者や中級者が多い。もちろん技術向上も大きな目標であるが、何よりも体を動かし仲間と楽しく過ごしたいと考える人も多い。
このようなボウラーたちは、『ボウリングは楽しくて健康維持にも良いスポーツ』だと、仲間を誘ってボウリング場を利用している。
しかし、ボウラーに上下関係が生まれてしまうと、このことに気を遣い、また頼んでもいない技術指導は苦痛でしかない。
迷惑行為を繰り返すボウラーの多くは、一定の実力を備えている場合が多い。それを誇示しなくとも、周囲はハンディキャップが0であれば一目を置くものだ。
純粋にボウリングが好きで、ボウリングを楽しみとしている人たちが集う場所がボウリング場であって欲しい。
そのためには、アベレージ表の公開は控えるべきではないだろうか。
ましてや氏名や年齢、総ゲーム数やアベレージを一覧にされ、自身の名前が下位にあればいい気持ちはしない。
アベレージ一覧表を公開しているボウリング場は、時代の変化とともに利用者が変わってきている点も踏まえ、今一度、利用者目線に立ち戻り再考査して欲しい。
次回の執筆予定「未定」