夏の大雨が降りしきるある晩、私は昨年から応援している「九州プロレス」の催しに参加する機会を得た。
九州を拠点に「九州を元気にするばい」という旗印を掲げ、地域に根差した活動を続ける団体である。プロレス団体としては珍しくNPO法人の形を取り、試合観覧はすべて無料。興行の垣根を低くし、人々の暮らしに寄り添う姿勢は一貫している。
その日、人気選手の1人「ばってんぶらぶら」さんが企画した、オフ会と銘打った集いがあった。会場は30人ほどで貸し切られ、同じ選手を応援する者たちが肩を並べた。プロレス試合のような歓声や拍手こそないが、心の高鳴りは試合会場と変わらない。笑い声とグラスの音が絶えず、そこに居合わせた全員が、見えない一本の糸で結ばれているかのようだった。
やがてその糸は、思いがけない形で私のもとにも伸びてきた。偶然同じ卓についた初対面の人と、なぜか話題はボウリングへと転がった。さらに会話を重ねるうち、意外な共通の知人に行き当たる。人生50年、縁は時に唐突で、そして奇妙に必然である。
オフ会がお開きになっても、私たちは別れ難く、近くの居酒屋に足を向けた。夜更けまで杯を重ね、日々の他愛もないこと、些細な笑い話で語り合った。まるで古くから知る友人のように。。。ここ最近、同じ色調で流れていた私の日々に、その夜は鮮やかな彩りを差し込んだ。
ボウリングが繋いでくれた新しい輪。そこに九州プロレスと「ばってんぶらぶら」さんの存在が重なり、さらに広がりを持った。縁とは人が紡ぐものだが、同時に、人を生かすものでもある。
この出会いを胸に、ボウリング活動も、九州プロレスの応援も、そして執筆活動も、さらに熱を帯びて続いていく。そう思える夜が、確かにあった。